お昼の休憩中にとんでもないクレーム電話がかかってきました。休憩中は急患用転送ダイヤルしか受けてません。急患用にかけてきたんですから、文句言う気マンマンですね。
診察の依頼かと思い聞いていると、往診車の運転に対する苦情だとおっしゃいました。
少しばかり前に往診してきたのですが、その時に往診車の後ろを走っていたバイクの者だと名乗られました。苗字も自ら明かし、電話番号も通知状態ですから、よほど自信があったのでしょう。
怒っている理由は、往診車による幅寄せというでした。
後ろにいたバイクについては実はわかっていましたので、あーあの時の後ろの方ですね?とはなったのですが、幅寄せについては全く身に覚えがありませんでしたので、いつどこでのことなのかと質問しました。なお、電話はスピーカーにして当院スタッフと一緒に聞きながら通話したのですが、当院スタッフも困惑を隠せませんでした。
かなり興奮されていましたが、要点をまとめると会話はこんな感じでした。
バイク「幅寄せされて危なかった。」
院長 「身に覚えがないので詳しく教えてもらえますか?」
バイク「しらばっくれるな。こっちにはヘルメットのドラレコがある。」
院長 「こちらも前後ドラレコ撮ってるので検証できます。」
バイク「謝らんのか?謝らんなら警察に映像出すぞ。」
院長 「そう言われましても、覚えもありませんし、今すぐ謝りようもありません。」
バイク「この場で謝るなら許してやろうと思ってたのに、そうか、そういう態度なら警察に出すからな。」
院長 「どうぞご自由にされて下さい。こちらもドラレコはありますし検証はできますので。」
バイク「どこの警察に出したらいいのか?南署か?東署か?」
院長 「え?それはわかりません。」
バイク「クリニックの所在地の管轄はどこの署か聞いとるんや!」
院長 「え?そう言われましてもわかりません。お好きな警察署に出されたらよろしいのではないでしょうか?」
バイク「それもそうやな、調べて出しとくからな!」
院長 「はい、どうぞそうされて下さい。」
こんな感じでした。しかも、院名の書いてある車でよくもまぁ危ない運転を、という嫌味のつもりでしょうけど、ありがちな事も言っていました。
実はドラレコを確認しなくてもわかっていたことがあるんです。そのバイクは往診車を左から抜きたかったんですね。でも自転車に阻まれて抜けなかったんです。そして往診車の後ろに戻るしかなかった。そのことはリアルタイムで気づいてました。往診車が幅寄せした事実などありません。ドラレコを確認しても幅寄せなどと言われる様な進路変更は全くありませんでした。抜けなかったことを逆恨みしているのだと思います。
その後バイクは左から抜くのを諦めて、右から、というか反対車線を逆走して往診車を含め何台も車を抜かしてはるか前方に去っていきました。
そもそも往診車の後ろにやってくるまでも、バイク特有のすり抜け行為で直進車線から右折車線に割り込む様に並んできましたし、往診車を左から追い抜くのも違反です。バイクはあわや前方の自転車に追突するところでした。逆走して何台も抜いて行くのももちろん違反です。自分は違反のオンパレードなのに、逆恨みして急患用ダイヤルに苦情をかけてくるとは、呆れる他ありません。よくもまあ一目で病院の車とわかる車両を左から抜いて危険に晒そうとするものです。本当に呆れますね。
また、ヘルメットのドラレコがあるというのも嘘で、往診車の後方ドラレコには相手がはっきり映っていますが、ヘルメットのドラレコなどありません。
こちらの分析としては、往診車を左から抜きたかったができなかったのでイライラした。院名が書かれてあるし、ドラレコの証拠があると嘘をつき、警察に突き出すと脅せば素直に謝らせることができると考えた、そういったところではないかと思っています。
往診車のドラレコは前後とも該当の部分を保存して警察に提出できる様にしました。また、警察にも電話して、自らの違反を棚に上げてクリニックに謝罪を強要する電話があったことを、相手の電話番号と名前を添えて通報しておきました。相手から警察に何か連絡があれば当院の動画を分析するとのことで、まずはこちらも警察もバイクの人を放置することになりました。ヘルメットのドラレコなど無いのですから、警察に出せるわけがありませんので、どうせ警察に連絡してきたりしないでしょうというのが警察の見解です。
モトブロガー、バイク系ユーチューバーの方もたくさんいらっしゃいますが、皆さんドラレコ付けてますけど、当然ながら交通違反しません。自分が違反している証拠をわざわざ残すことはないですよね。違反していない自信があるからこそ映像に残すのだと思います。道路交通法を守る気持ちのカケラもない人が自らの違反まみれの運転の記録を残したいわけがありませんね。
当院は多くの方にご利用頂きたいと思っていますし、和気あいあい楽しく診療できることを常に念頭においています。一方で当院に明らかに非のないクレームには毅然とした態度で臨みますし、とにかく謝れという強要に屈することはありません。急患用ダイヤルはスタッフの休憩時間を削ってでも患者さんに対応するための緊急用の回線であり、それ以外のお電話は受けておりません。特に今回の様な非常識なクレーム電話などかけてこられるのは非常に迷惑です。
往診車につきましては、今後もこれまで同様に道路交通法を守り安全運転に努めます。