♯坐骨神経痛
・「病名」ではなく「症候」あるいは「症状」
・下肢に生じる神経痛あるいは下肢の痛みの総称
・坐骨神経は主に下肢の背側を通る神経の名称で運動神経、知覚神経、自律神経を含む
・お尻や太ももの裏、ふくらはぎなどに”ピリピリ”、”ズキズキ”など痛みが生じる
・脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、梨状筋症候群などが原因となる
・原因(箇所)を特定し、原因に応じた治療が必要
治療
・薬物療法
NSAIDs、アセトアミノフェン、プレガバリン
三環系抗うつ薬、抗不安薬、オピオイド等
・神経ブロック
腰部硬膜外ブロック、神経根ブロック、梨状筋リリース、大殿筋リリースなど
・手術療法
・その他(運動療法、物理療法、理学療法、コルセットなど)
「坐骨神経痛ですね」と診断されたら「私の坐骨神経痛はどこが原因で生じているのでしょうか?」と質問して原因を詳しく教えてもらってください。原因が不明なまま治療を開始しても有効ではないことがあります。
下肢を支配する神経は主に下肢の前側に分布する「大腿神経」と後ろ側に分布する「坐骨神経」があります。では「大腿神経痛」という症状はあるのでしょうか。まず耳にすることはありませんね。実際には大腿神経領域の痛みは存在しますが、坐骨神経痛ほど話題になることはありません。要するに、同じ下肢を支配する神経でも、坐骨神経の方が圧倒的に損傷される機会が多いのです。そのため「坐骨神経痛」という名称は一般的に使われるのに対し、「大腿神経痛」という名称はほとんど聞くことがないのです。