新棟増設にかける想い

令和5年11月10日新棟の運用が開始となりました。せっかくですので、新棟増設に至った経緯や想いをお伝えしたいと思います。
日々疼痛治療を行う中、原因箇所の特定、診断に特に力を注いできました。ブロックの力を用いてその場で痛みを緩和することは比較的簡単ですが、原因とマッチしていないと結局良くはならないのです。ブロックを受けたのに、薬を継続して飲んでいるのに、それでも一向に状況が良くならない。それは患者さんにとってストレスそのものです。余計なストレスを軽減するためには、原因や状況をはっきりとさせ、治療による効果を予測することが肝要です。その中においてMRI検査を必要とする機会が多く、その都度患者さんを協力医療機関に紹介させて頂きました。特に腰椎、頸椎の患者さんにおいては腰や脚の痛み、腕の痺れなど辛い症状がある中で病院間を行き来して頂き、場合によっては治療がワンテンポ遅れてしまうこともありました。痛みの診断や治療方針の決定にMRI検査は必須ではなく、症状からでも判断することは可能ですし、ほとんどの方はそれで問題となることはありません。しかしながら、上述の通り、自身の診療スタイルとしてできる限り正確に診断したい思いがあり、そこを優先しています。特にMRIは放射線を用いず磁石の力で画像を作るので、放射線被曝のリスクが全くありません。刺青のある方などを除き、健康被害のリスクが限りなくゼロに近いのが特徴です。ですので、MRIで診断可能な疾患は躊躇せず検査を行うのが良いと考えています。多くの患者さんのMRI検査を他院でお願いしているうちに、自院で検査できたら患者さんにとってどんなに良いことだろうと考える様になりました。

当院はご縁があり高齢者施設の嘱託医をさせて頂いておりますが、高齢者に起こりやすい誤嚥性肺炎や腎盂腎炎、あるいは転倒による頭部外傷など、その都度他院に紹介してCT検査をお願いしていました。入院まで必要なケースは少なく、当院でCT検査ができたら患者さんも施設スタッフもどんなに移動や待ち時間の負担が減るだろうと思っていました。また、一般の患者さんにおいても、腹痛や呼吸苦で受診される方には腹膜炎や肺炎の鑑別のためCT検査が必要となることが多く、体調が悪い中病院間を行き来して頂きました。さらには、慢性疾患の定期受診は患者さんにとっても大切なことで、当院は地域のかかりつけ医としてその点で重大な責任を負っています。一方で、腹痛や嘔吐、めまい、呼吸苦など急性の症状で当院に受診して頂くことは大変名誉なことだと思っています。この様に慢性疾患の管理だけではなく、急性症状のご相談が多いことからもやはりCT検査は必要だと考えた次第です。

もう一つどうしても欲しかった機能として感染隔離室があります。開業と同時にコロナ禍に突入したのですが、新型コロナに感染して脱水を併発するなど全身状態が悪くなった方への対処には苦慮しました。県の取り組みとしてプレハブ診察室の運用がありましたが、一時的なものであることはわかっていました。実際にプレハブ診察室を運用してみると、患者さんの利便性は非常に良いと思われました。そこで、県の取り組みが終了した後も、当院なりに感染患者さんへの個室対応を続けたいと考えていました。屋外から直接入室できること、個室であること、スタッフへの連絡ができること、スタッフが見守りできること、これらを兼ね備えた設備をどうしても作りたかったのです。

以上の様な想いや構想があり、今回新棟の増設を決断した次第です。当然ながら多額の費用がかかりました。開業当初にかかった以上の費用が必要でした。放射線技師の存在も必要ですし、遠隔読影システムの費用も必要です。昨今の物価高騰、光熱費高騰を受け、建築費用も電気代のランニングコストも想定以上となってしまいました。それでも必要な患者さんに直ちに検査を実施できることの利便性や有用性を日々実感しています。当院の設備および診療が、周辺地域の皆さまのお役に立てるようこれからも日々真剣に診療に励みます。当院の診療、運営にご理解とご協力を賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

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