「応召義務に過剰反応しない」ペイハラ対策 新潟県が指針取りまとめ

医療系の情報プラットフォームにニュースがありました。非常に良いニュースです。当院でも最近このペイハラを受けたばかりで、応召義務を持ち出したハラスメントを受けました。良いニュースですので公益の観点から情報共有いたします。下記に関連リンクを貼っておきます。
新潟県の指針はこちら

応召義務を自ら持ち出して医療機関にクレームをつける方は、その解釈を知らない方がほとんどです。「応召義務」「診療拒否」というキーワードを出せば医療機関は診療を断れない、自分のことを強制的に診察させることができると勘違いなさっています。一般的に、医療機関が診療をお断りするにはそれなりの理由があります。応召義務などのキーワードを持ち出してクレームを付ける暇と元気があるのであれば、自分の気に入る医療機関へ行けば良いのです。
また、最近話題となっていたGoogleマップへの悪質なクチコミ投稿に関し東京都の医師がGoogleを集団提訴したニュースですが、当院も利用している医療系プラットフォームの「ドクターズファイル」がGoogleマップへの悪質なクチコミ投稿について実態調査に乗り出しました。被害を受けた医療機関の割合や被害状況など実態が解明される可能性があります。今後の動向に期待です。

以下、ニュース記事になります。

“ペイハラ”には組織的に毅然と対応を、新潟県が対策指針

 県立病院の医師や職員を悪質なハラスメントから守ろうと、新潟県が「ペイシェントハラスメント対策指針」をこのほど取りまとめた。たとえ要求内容が妥当であっても、手段が社会通念上不相当なものは”ペイハラ”に当たると明示し、組織的に毅然と対応し、警察への通報もためらわないよう呼びかけている。医療者が患者に対して負っていると誤解されることの多い応招義務についても、厚生労働省の通知などを基に解説した。患者の言動を記録・録音する際の注意点や警告文の様式も備えた実践的な内容となっている。

 県病院局によると、県立病院では患者による迷惑行為が度々起こっており、心身を傷つけられる職員もいる。ただ、「具体的にどこからがペイハラに当たるのか分からない」「どのように対応すればいいのか」「応招義務に違反するのではないか」といった声があり、今回の指針をまとめることとした。内容については、厚労省のカスタマーハラスメント対策マニュアルなどを参考に、県の顧問弁護士にも相談した。5月13日付で公表しており、ホームページでも閲覧できる。県は各県立病院に対して、9月頃までに指針を基にしたマニュアルを策定するよう求めている。

 指針では、「患者・家族によるクレーム・言動のうち、要求を実現するための手段・容態が社会通念上不相当なものであり、職場環境が害されるもの」とペイハラを定義づけた。要求に妥当性がないものはもちろん、妥当性があっても手段が不相当であればペイハラに当たる。「バカ」などの暴言や胸ぐらをつかむなどの暴力、セクハラ、脅迫、ネット上での誹謗中傷など9類型に分け、ペイハラに当たる具体的な行為も示している。

 その上で、(1)組織的に対応、(2)毅然と対応、(3)警察への相談・通報をためらわない――を3本柱として、対応策を提示。患者の言動を録音する際に事前の同意が不要であることや、記録として書き残す際には「強い態度で」などの主観的な評価ではなく「夜道に気をつけろと言われた」など具体的な文言を記すよう助言している。

 また、「応招義務に過剰反応しない」こととし、一部の職員や患者の間で誤解が残る応招義務について「医師が国に対して負う公法上の義務であって、患者に対して負う私法上の義務ではない」と説明。むしろ、患者・家族側には診療に協力する義務や施設管理者に従う義務があり、ペイハラによって義務違反がある場合は、緊急性がない限り診療の拒否も選択肢となり得ることを説いた。

 参考資料として、禁止事項の院内掲示や迷惑行為禁止の警告文、迷惑行為患者に書かせる誓約文なども添付しており、現場での取り組み生かせるようになっている。

 県病院局によると、ペイハラに特化した対策指針を都道府県単位で取りまとめるのは珍しい取り組み。担当者は「職員を守ると同時に、他の多くの善良な患者を守るためにも、ペイハラ対策を徹底したい」と話している。

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