イオントフォレーシス(針を使わない局所麻酔)

イオントフォレーシス

イオントフォレーシスとは

局所麻酔薬は通常の状態で一部がイオン化されており、電荷を帯びています。専用の器機を用い、体に電極を当てて局所に電流を流すことで電荷を帯びた局所麻酔薬が体にかかる電圧により引っ張られ、皮膚から体内に浸透します。これは電気泳動の仕組みを利用した方法になります。イオントフォレーシスとは直訳すると「イオンの導入」ということになります。局所麻酔薬を皮膚に塗るだけでは簡単には浸透しませんが、電圧をかけることで深部まで浸透するようになるのです。これにより針を使って局所麻酔薬を注射することなく、一定の範囲を局所麻酔することができます。

適応例

主に比較的浅い部分で一定の面積を持つ痛みが良い対象となります。広い範囲に何カ所も局所注射することは現実的ではないため、広く浸透させられるイオントフォレーシスが有用です。ただし深い組織までは浸透しないと考えられますので、その場合は神経ブロックが必要と考えます。

注意

手足の多汗症に対して行う、水道水を用いたイオントフォレーシスとは器材も方法も少し異なります。当院では手足の多汗症に対するイオントフォレーシス治療は行いません。
腋窩の多汗症に対するボトックス®治療は可能です。また多汗症の症状緩和のために行う交感神経遮断療法として、星状神経節ブロックまたはスーパーライザーによる星状神経節照射も可能です。

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