星状神経節ブロック
概要
頚部の星状神経節という交感神経幹の中継地点に局所麻酔することで、頭部や頚部、顔面、上肢の痛みなど症状を緩和する治療です。 当院ではエコーガイド下にブロック針を刺入します。 頚部の星状神経節に局所麻酔薬を注射すると、交感神経が一時的に遮断され、相対的に副交感神経が優位になります。その結果、頭、首、肩、上肢の一部の緊張が取れ、血流が良くなります。通常は直後から温かみを感じ、頭痛や、首の痛み、肩の痛みなど軽減することが多いです。単回で完了する治療ではないため、一定の期間に数回行うことが標準的な考え方です。
方法
- まず一度エコーで交感神経幹や神経根、周囲の血管を確認します(プレスキャン)。
- 刺入部位を決定した後に皮膚を消毒します。
- エコーを当てた状態でブロック針を刺入します。刺入部の皮膚にそのまま少量の局所麻酔薬を注入した後に針を進めます。
- 針の通り道は一般的に大きな痛みを感じることはありません。
- 星状神経節(交感神経幹)そのものを刺さない位置で針を止め薬液を注入します。その後は直ちに針を抜いて終了です。


適応疾患例
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- 片頭痛
- 緊張型頭痛
- 群発頭痛
- 側頭動脈炎
- その他の頭痛症
- 線維筋痛症
- 肩こり
- 頚肩腕症候群
- 胸郭出口症候群等
- 帯状疱疹後神経痛
- CRPS、ASO、レイノー症状など
- 頸椎症性神経根症
- 頸椎椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 頸椎後縦靭帯骨化症
- 頸椎黄色靭帯骨化症
- 頸椎手術後症候群
- 頚椎捻挫
- むち打ち関連障害
- 手掌・腋窩多汗症
注意事項星状神経節ブロックではホルネル兆候が出現します。ブロックした側の眼瞼下垂(まぶたが重くなる)や縮瞳、発汗の減少などです。また鼻粘膜の血流が増加することで鼻粘膜が膨らみ鼻閉(鼻づまり)が生じます。これらの反応は一時的なものですのでご安心ください。むしろ、これらの反応は星状神経節ブロックが成立している証拠となります。この様に星状神経節ブロックでは顔面周辺に即座に生体反応が生じますので、原則として一度に片側しか行いません。当院では絶対に片側にしか実施いたしませんが、皆さまが通院されている施設様において、もし両側に同時に星状神経節ブロックを受けることがあるならば、それは呼吸や視機能に危険をもたらす可能性がありますのでどうぞお止め下さい。あるいは、両側同時に星状神経節ブロックを行う(お勧めする)施設様ではホルネル兆候も生じない様な真の星状神経節ブロックではない注射の可能性がありますのでご留意下さい。星状神経節ブロックはトリガーブロックよりも高価なブロックです。世間には星状神経節ブロックと偽って首のあたりに浅い注射を行う施設がある様です。当院ではエコーガイド下により、より確実により安全に星状神経節ブロックを行うことを心掛けています。当院ではホルネル兆候が出現しているかどうか必ず確かめています。
繰り返しになりますが、当院では星状神経節ブロックを両側に行うことは危険・不都合ですので絶対にいたしませんし、両側に実施できるほど反応のないブロックは真の星状神経節ブロックではないと考えております。また、その様に星状神経節ブロックとして成立していない様な不完全なブロックやなにがしの注射で星状神経節ブロックの報酬を請求する行為は詐欺、不正請求だと考えています。真に星状神経節ブロックを受けてみたい方におかれましては、ペインクリニック専門医を受診なさるか、エコーガイド下に行う当院の星状神経節ブロックでホルネル兆候を実感されることをお勧めいたします。