関節腔内穿刺・注射
概要
関節の水腫や血種による痛みの緩和や診断としての関節腔穿刺、変形性関節症による各種関節の痛みに対するヒアルロン酸注入を行います。当院では安全性を優先してエコーガイド下に行いますが、水腫が著しく関節腔が明らかな場合はそのまま穿刺することもあります。
ヒアルロン酸の注射は症状の緩和になるものの、注射の手技そのものが痛かったり辛かったり億劫になることがあるかもしれません。当院ではエコーガイド下に行うことで、わずかな腔内に対してより安全に注射することが可能と考えています。
方法
- 仰臥位になり患側膝の外側からエコーで関節腔を確認します(プレスキャン)。
- 穿刺部位を決めたら皮膚を消毒します。
- エコーガイド下に穿刺します。針は細いので皮膚の局所麻酔は行いません。
- 針先が関節腔内にあることを確認して関節液の吸引および薬液注入を行います。
- 関節液を吸引する場合は、その後に清潔操作で針を残したまま薬液のシリンジに変更して注入します。
- 薬液の注入が終わりましたら直ちに針を抜いて終了です。

適応疾患例(穿刺のみの疾患も含む)
- 変形性膝関節症
- 急性膝関節炎
- 化膿性膝関節炎
- 変形性股関節症
- 痛風
- 偽痛風
- 外傷による関節腔内の出血
当院の特徴当院では必ずエコーガイド下に穿刺や注入を行います。そのため、関節外への誤注入を防ぐことが可能です。また、エコーガイド下では針を骨や軟骨に刺さない様に針先をコントロールすることが可能ですので、穿刺時の痛みや関節の損傷を抑えることも可能です。関節注射は関節注射になっていないこともあり得ますが、患者さまにはそれを知ることができません。エコーガイド下で行うことで、必ず関節注射になっていることの確証が持てます。