肩峰下滑液包内注射
概要
肩の外側にある三角筋と棘上筋腱板の間のわずかなスペースにヒアルロン酸など注入する治療です。主に肩関節周囲炎に良い適応があります。 当院ではエコーガイド下に針を刺入します。
五十肩の患者さまのうち、多くの割合の方が三角筋下滑液包あるいは肩峰下滑液包の炎症や癒着を生じており、この治療法で改善すると考えられています。そのため、当院ではまず最初にこの治療から開始します。症状の緩和が得られない方は次のステップへと移行します。
方法
- まず一度エコーで三角筋と棘上筋を確認します(プレスキャン)。
- 刺入部位を決定した後に皮膚を消毒します。
- エコーを当てた状態でブロック針を刺入します。細い針ですので刺入部の局所麻酔は行いません。
- 針の通り道は一般的に大きな痛みを感じることはありません。
- 針先が肩峰下滑液包の位置にあることを確認して薬液を注入します。その後は直ちに針を抜いて終了です。


適応疾患例
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- 肩関節周囲(五十肩)
- 肩峰下滑液包炎
- 肩峰下インピンジメント症候群
- 石灰沈着性肩腱板炎
ご注意当院では五十肩の注射による治療を何種類も使い分けて実施しています。肩峰下滑液包注射はまず最初に行う一手です。改善が得られない場合はご遠慮なくお申し付け下さい。また、ヒアルロン酸を用いた肩峰下滑液包注射は神経ブロックには分類されませんが、便宜的にブロック治療の一環として表現しています。