肩峰下滑液包内注射
概要
肩の外側にある三角筋と棘上筋腱板の間のわずかなスペースにヒアルロン酸など注入する治療です。主に肩関節周囲炎に良い適応があります。 当院ではエコーガイド下に針を刺入します。
五十肩の患者さまのうち、多くの割合の方が三角筋下滑液包あるいは肩峰下滑液包の炎症や癒着を生じており、この治療法で改善すると考えられています。そのため、当院ではまず最初にこの治療から開始します。症状の緩和が得られない方は次のステップへと移行します。
方法
- まず一度エコーで三角筋と棘上筋を確認します(プレスキャン)。
- 刺入部位を決定した後に皮膚を消毒します。
- エコーを当てた状態でブロック針を刺入します。細い針ですので刺入部の局所麻酔は行いません。
- 針の通り道は一般的に大きな痛みを感じることはありません。
- 針先が肩峰下滑液包の位置にあることを確認して薬液を注入します。その後は直ちに針を抜いて終了です。
三角筋と棘上筋腱板との間のスペースで針先を止めます。画像では針が描出されています。
ヒアルロン酸注射を行い、三角筋と棘上筋腱板との間にスペースが現れたことがわかります。適応疾患例
-
- 肩関節周囲(五十肩)・凍結肩
- 肩峰下滑液包炎
- 肩峰下インピンジメント症候群
- 石灰沈着性肩腱板炎
肩甲上神経ブロック
概要
肩甲上神経は肩甲骨のくぼみ(肩甲切痕)を通り肩関節周辺の筋肉や感覚を支配する神経です。肩関節の感覚の7割程度を支配するとされています。この肩甲上神経の周辺にブロックを行うことで肩関節の痛みを軽減します。安静時痛はもちろん、動作時の痛みも軽減するためリハビリ・可動域訓練の手助けとなります。当治療法はあくまでも除痛や鎮痛、あるいは消炎が主な目的となります。受診時に肩甲上神経ブロックを行っても院内や自宅で可動域訓練を全く行わなかった場合、全体的には症状の改善は得られず、五十肩は一向に良くなりませんのでご注意下さい。当院で肩甲上神経ブロックを行い帰宅時には痛みが軽減しているにも関わらず、再診時に「全く治療が効かなかった」と仰る患者さんがいますが、それはその患者さんが可動域訓練・セルフケアを行わなかったケースがほとんどです。当ブロック治療のみで五十肩や拘縮肩が治癒するわけではないことをご理解下さい。
方法
- まずエコーで肩甲切痕や肩甲上腕関節を確認します。
- 刺入部位を決定した後に皮膚を消毒します。
- エコーを当てた状態でブロック針を刺入します。細い針ですので刺入部の局所麻酔は行いません。
- 針の通り道は一般的に大きな痛みを感じることはありません。
- 針先が肩甲上神経の近傍にあることを確認して薬液を注入します。その後は直ちに針を抜いて終了です。
適応疾患例
-
- 肩関節周囲(五十肩)・凍結肩
- 肩峰下滑液包炎
- 肩峰下インピンジメント症候群
- 石灰沈着性肩腱板炎
ご注意当院では五十肩の注射による治療を何種類も使い分けて実施しています。肩峰下滑液包注射はそのうちの一つです。改善が得られない場合はご遠慮なくお申し付け下さい。また、ヒアルロン酸を用いた肩峰下滑液包注射は神経ブロックには分類されませんが、便宜的にブロック治療の一環として表現しています。
上記のヒアルロン酸注射や神経ブロック治療で改善が乏しい場合や、セルフケアの難しい方、治療に期間をかけたくない方、早期に可動域を改善させたい方は『サイレントマニピュレーション』をご検討下さい。